・「アンチエイジング」…ネコも杓子も、昔も今も?
化粧品でもサプリメントでも、昨今「美容と健康」と言えば、とにかく「アンチエイジング」が入るものが多い様に感じます。
ご存知の方も多いでしょうが、「アンチ」は「反対、対抗する」など。
「エイジング」は「age + ing」、つまり年齢を重ねるということですので、「抗加齢」「抗老化」という意味です。
いつまでも若々しく、美しく…きっとそれは、全ての人の理想なのでしょう。
歴史的に見ても、諸国の皇帝や王様、そして美女達が「不老不死」を求めたという話を挙げればキリがありません。
・「エイジング」…アンチエイジングを理解するために
アンチエイジングについてお話しするには、まず「エイジング」つまり「老化」について知らなければなりません。
人の体の老化は、一言で言えば当たり前ですが「新しかった体が古くなる」ということです。
その体を構成しているのは「細胞」ですので、「細胞が古くなる」ことが老化の根本ということになります。
しかし、細胞は代謝で常に新しく作り替えられているはず…
それが「古くなる」ことには、大きく分けるとまず2つの要因が挙げられます。
A.遺伝子のプログラム
ヒトの細胞は確かに常に作り替えられていますが、それには遺伝子レベルでの限界がある(現在、理想的な状態で寿命120年程度という説が有名)と考えられています。
また、細胞を作る時に小さなミスが起こることで機能しない細胞になることもあります。
いずれにしても、当然いきなり全ての細胞が限界を迎えて死んでしまったり機能しなくなったりする訳ではなく、あちこち、少しずつそういった細胞が増え、結果として組織が衰えていくことになります。
B.細胞や組織などの様々な消耗
細胞や組織が傷付いたり、その他の理由で消耗すれば、どんどん新しく作り直さなければなりません。
また、細胞の活動や維持に必要なものが消耗していくことでも、細胞の消耗につながります。
この「消耗」に関与するのが、ホルモンや紫外線、そして「有害物質」等です。
この有害物質の中で、近年特に有名なのが「活性酸素」で、体の中で非常に作られやすいこともあり、重要視されています。
・アンチエイジングのためには、何をするといいの?
Aについては、原則的に難しい問題です。
これらを現代の科学や医学で確実に調節することはまだ出来ません。
そのため、重要なのはBへの対応ということになります。
例えば紫外線の暴露を減らしたり、規則正しい生活リズムや食事、運動などでホルモンのバランスを整えたり、より良い血の巡りを維持することも、大事な「アンチエイジング」なのです。
そして、近年「アンチエイジングと言えば」というくらい良く見かけるのが「抗酸化作用」です。
抗酸化作用のあるものを積極的に取り入れていくことは、アンチエイジングにおいてとても重要です。
ただ、いずれにしてもアンチエイジングの道は「楽して自動的に進む」ことはありません。
どんなに良い化粧品を使おうと、高価なサプリメントを飲もうと、自分の体に本当に合っているかを見直さなかったり、普段から口に入れるものや生活の仕方をおろそかにしたりしていては台無しです。
まずは、自分の体をきちんと見直すこと。
何が必要か、何は余計か、どんな対処が適切なのか、など「常に観察し、意識する」ということが一番大切と言えるでしょう。