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「リハビリ」理論(後)

「幸せになるための『リハビリ』理論」、今回はその詳細です。

・「被害者」が、それでも努力をしなければならない理由

前回、「苦しみの原因のほとんどが自分の外からもたらされると考えて良い」というお話をさせて頂きました。
つまり今、何かを苦しいと感じている方は、ある意味では「被害者」と言える訳です。

「それならば、自分をそんな苦しい目に遭わせている『加害者』が責任を取るべきだ」

これは全く自然な思いだと思います。
しかし、決して叶えられない思いであるとも言えます。

何故なら
「彼らは、『被害者が望む通りの責任』を取ることが出来ない」
からです。

例えば病気や災害に遭ってしまった時、「それらに責任を取らせて、元の状態に戻す」ことが出来るでしょうか?

あるいはパワハラで心を病んでしまった時、その上司が
「解った。責任を取って、俺が必ずお前を元気にする」
…絶対お断りですよね?
「辞職してもらう」ことはあるにしても、「その途端に病んでいた心が全快。仕事も何もかも全部元通り」になどなりません。

多額の慰謝料をもらっても、生活の困窮だけはどうにか避けられるとか、治療費の心配はいらないとか、あくまで「付属品」が満たされるだけで、根本の「自分の心が元通り」とは別の問題。

「彼らに、本当の責任は取れない」のです。

「被害者」が、それでも努力をしなければならない理由はそこにあります。

それを説明するのが「リハビリ」理論です。

今辛いのは障害や事故のせい。必要なのは「リハビリ」

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例えば、生まれ持った障害で。
あるいは、自分に何の落ち度もないのに遭遇した事故で。
今、あなたは自分の力で歩こうとしても、痛くて歩くことが出来ないとします。
しかし、どうしても歩ける様になりたい、自由を手に入れたいと病院を訪れた…そう考えてみて下さい。

生まれ持った障害も、あるいは事故も、あなたには何ら責任がないにも関わらず、あなたは今「歩けないという苦しみ」を背負っています。

でも私が診察してみたところ、あなたはリハビリをすればきっと自分の力で歩ける様になる。
私は、そのリハビリをしようというお話をしています。

「自分をこんな体に生んだ親が悪い、あるいはこんな大怪我を負わせた加害者が悪い」
「自分に責任がないのに、こんなに辛い思いをさせられているんだから、あいつに責任を取らせるべきだ」
「何で痛くて辛い思いをしている自分が、さらに痛くて苦しいリハビリをしなければならないんだ」

そんな怒りを覚えてしまうことも理解できます。
しかし、「自分の足で歩く自由を手にいれる」ためにはどうしても「自分の力でリハビリをする」しかないのはお解り頂けると思います。

しかしこれは逆言えば、
「あなたの望む未来を、あなたの力で手に入れることが出来る」
ということでもあります…
〜・〜・〜・〜・〜・〜

この様な主旨で説明をさせて頂くと、ほとんどの場合ご納得いただけます。

これが「リハビリ」理論です。

他の誰でもない、「あなたの望む未来」を。
「あなたの力」で。

少しずつでいいんです。
休み休みでいいんです。
頑張ることが辛く感じたっていいんです。
逆に頑張りすぎて、ちょっと後戻りしちゃった様に見えたっていいんです。

いいんです。
自分が、自分の望む未来を諦めさえしなければ。

だって、「リハビリ」ですから