〜 受け取る力と双璧をなす力の話 〜
「何でイガグリ…?」
と思われた方が多いのではないでしょうか。
実はこれは、人の言動を例えたものです。
刺々しく、受け止めたら心が痛くて血が出てしまう…
そんな言葉や態度を受けたことはありませんか?
それは、相手があなたにぶつけてくる「イガグリ」かも知れません。
・正直者が馬鹿をみる?
想像してみて下さい。
今、あなたは公園で、ある人とキャッチボールをしています。
ボールは柔らかいゴム製のため、二人とも素手。
少し陽が傾き始め、あなたは「今日の夕飯をどうしようかな」と気になり、キャッチボールをしながら相手に訪ねました。
「ねぇ、今日夜なに食べたい?」
ボールを受け取った相手があなたに投げ返して来たのは…
何と、イガグリ!
あなたはその時、
①気づかずに手で受け止める
②異変に気づき、反射的に目をつぶって体を縮こまらせる
③異変に気づき、咄嗟に避ける
④「全てを受け止める」と両手を広げて待つ
初めての時はどれもありそうですが、④という方は流石にいらっしゃらないはず。
でも、①も②もひどく痛い思いをしますよね。
では、相手が次々に同じものを拾っては投げて来たら?
きっと皆さん確実に③を選び、おそらくその後
③-a:地面に落ちたものを見て、投げて来たのがイガグリだと確認する
③-b:次に相手が投げてくるものに「注意を向けつつも、避ける準備をして」向かい合う
③-c:そして「何でイガグリなんて投げるの!?」と相手に訊く
のではないでしょうか。
ところが、実際のキャッチボールならそう出来るのに、
「『人間関係』においては①と②、何なら④すら続けてしまう」
方が、とても多いのです。
誠実に相手に向き合おうとする方ほど①を選び、自分を責めがちな方は②になる傾向が強く、それらがさらに顕著になると④になるのですが、これでは自分が痛いばかりです。
・本当に渡したいのは、中の栗だけ
相手は、何故あなたにイガグリを投げつけるのでしょう?
あなたを本当に痛めつけたいなら、そこに石もあるし、鉄パイプも転がっているのに。
わざわざイガグリばかりを拾っては投げつけている…
そこに、その人の本心が隠れています。
私はそれを「イガグリの中の栗」と表現していますが、つまり
「相手はその栗をあなたに渡したいだけ」
の場合がある、ということです。
それも、「あなたに栗をあげたい」のではなく、
「『今日は栗が食べたい』とあなたに伝えたい」
だけのことすらあるのです。
「それだけのために、イガグリ投げつけるなんてまともじゃない!」
でしょうか?
でもこれは、現実にしばしば見られることなのです。
次回に続きます。