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「でべそ」理論

〜 イガグリ理論の補足 〜

前回まで、4回に渡ってお話しした「イガグリ」コミュニケーションのお話、今回は補足になる理論です。

・イガグリマスターのような人

以前の記事で、イガグリを投げる相手に出会うことは決して稀ではなく、「ただ偶然割り振られただけの相手が、最初からイガグリしか投げない」こともある、とお話ししました。

例えば配属先の上司だったり。
お子さんのいらっしゃるご家庭では、いわゆるママ友やパパ友。
驚くべきことに、学校の先生などでも!

人から嫌な言葉をぶつけられること、ありますよね。

それも、「たまたまそうなってしまっただけ」ではなく、「明らかな意志を持って、何度も」投げつける、イガグリマスターの様な人に遭遇してしまったら…

イガグリだとわかっているのに避けきれないこともあるでしょう。
そもそも「あなたとキャッチボールしたいなんて、こっちは全く望んでない」という場合すらあります。
とても苦しいし、腹も立ちますし、しかもそれを上手く解消も出来なくて、益々苦しくなってしまったり。

そんな時、「でべそ」理論がお役に立つかも知れません。

・言葉そのものの意味を考えない

お若い方は知らないかも知れませんが…
子供たちの間で相手をバカにする時に、

「ばーかーカーバーちんどん屋ー♪
 お前のかーちゃんでーべーそー♪」

というものがありました。
これを、言葉の通りに捉えてみましょう。

ばか。
わかります。

カバ。
…ばかの逆さ読みで、語呂合わせ。何となくノロマそう?
まぁ、わかります。

ちんどん…え、ちんどん屋?
どこから出てきたんでしょう?
「その子の見た目がちんどん屋の様であった」ということはほとんどの場合ないだろうし、騒いでいるのもバカにしている方。

お前のかーちゃんでべそ…!?
何でしょう、この子は相手のお母さんと一緒にお風呂に入りでもしたのでしょうか?

当然、そうではない訳です。
つまり「言葉そのものには、全く意味がない」んですね。

重要なのはその「意図」。
「その言葉によって、『何がしたい』のか?」
ここでは、「相手を悔しがらせたい」だった訳です。

言葉そのものを見ずに相手の意図を見抜く、ということについては以前お話しした「イガグリ」理論になりますが、どうしても「刺さってしまう言葉」があった時。
この「お前のかーちゃんでべそ」を心の中で唱えて思い出してみてはどうでしょう?
「言葉そのものには意味がない」ことを思い出し、イガグリの中の栗を見抜く手助けになるはずです。

あなたに投げつけられている暴言は、決してそのままの意味ではありません。

その言葉をあなたに投げつけることで、相手は一体「何をしたい」のか?

「そこに意識を向ける余裕」を作るため、相手がイガグリを投げ始めたと感じたら、そっと心の中で唱えましょう。

お前のかーちゃんでーべーそ♪

お前のかーちゃんでーべーそ♪

…あ、もちろんお前のとーちゃんでもいいですからね?