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「ことだま」理論(後)

前回は、「言葉を変えると脳の情報処理が変わる」というお話をさせて頂きました。
今回はさらに言葉の力をお話しします。

・言葉を変えれば、言動が変わる

前回の記事で、「ありがとう」を付け加えるだけで
「決して終わらない情報処理」から「必ず終わる情報処理」に変わるというお話をしました。

この結果、脳には以下のような変化が起こります。

①「処理しきれない情報」がなくなる
②「情報処理が終わった」快感が残る
③「観察」「分析」「抽出」の能力が勝手に上がる
④「『ありがとう』と表現できる出来事だった」という認識が潜在意識に重なる
⑤「類友」理論が起こる

すると先ず、脳のパフォーマンスが上がります。
当然、仕事や家事などのパフォーマンスも向上します。

脳に余力があるだけでなく、④が生じていることもあり、
「イラっとする、真っ白になる、パニックになる」
なども起こりにくくなります。

そうなれば他の生活や活動についても、もっと余裕や自信を持って臨むことが出来る様になってきます。

つまり、明確に行動が変化するのです。

さらに⑤によって
「『ありがとう』な出来事に恵まれた状況になっていく」
のですから、ますます変化は大きくなります。

・「行動の変化」は、周囲の人にも起こる

この「言葉の変化による行動の変化」のすごいところは、
「変化が自分だけにとどまらず、周囲の人にも起こる」
ことです!

「いやいや。それは盛りすぎでしょ」

とお感じですか?
でも、考えてみて下さい。

「あなたが『ありがとう』という言葉を増やす」
ということは、
「あなたに『ありがとう』と言われる人が増える」
ということなんですよ。

「ありがとう」と言ってもらえることは、その人にとって「最大級の肯定」と同じ意味を持ちます。
つまり、あなたに「ありがとう」を言われた人は、「あなたに最大級の肯定をされた」ことになるのです。

するとその人自身の自己肯定感も高まり、同時に自分を肯定してくれた「あなた」に対して好感を持ちやすくなります。

人は、自己肯定感が高くなると他人への攻撃が少なくなります。
さらに、好感を持った相手なら当然もっと攻撃は少なくなり、逆に好感のお返しをしたくなります。

こうして「あなたの周囲の人の行動まで変わる」結果となり、
「あなたが『ありがとう』と言いたくなる様な出来事が、『他人によっても』増やされる」
という、本当に魔法の様なことが起こるんです。

「あなたが言葉にしたことが、あなたに起こる」
という、まさに「ことだま(言霊)」。

でも繰り返しますが、これは魔法でも宗教でもありません。
歴とした医学なんです。

・偉い人はみんな「言葉の力」をわかってい

「感謝の心があることが、幸福であるために必要」という趣旨の教えは、世界各国にあります。

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。全てのことについて感謝しなさい」(聖書)
「感謝する理由が見つからなければ、落ち度はあなた自身にある」(北米ミンカス族の格言)
「あらゆる人に感謝しなさい。(中略)助けてくれた人たち、 妨害をした人たち、無関心だった人たちに。(中略)一丸となって、あなたが仏陀になる状況をつくりだしているからだ」(仏教)

これらはもちろん、心のあり方そのものとしてもとても重要なのですが、実は
「観察」「分析」「抽出」の能力を育てるための「方法論」
としての側面も持っています。

ミンカス族の教えは明確に「探せ!」と言ってますし、仏教では「こう言う見方が出来るでしょ?」とわざわざ提示してくれています。
聖書も、根底に「神様が、あなたにそれを与え給うたのだから」「主イエスキリストも試みに遭われ、『それを乗り越えて救い主となられた』のだから」という「見方」が存在しています。

同じ様に「『感謝の言葉』を口にすることで幸せになれる」系の教えは、現代の書籍にも多く、枚挙にいとまがありません。

聖書の一節にも、この様なものがあります。

はじめに言葉ありき
言葉は神と共にあり
言葉は神なりき


つまり「まずは言葉」なんです。

心はすぐにはついてこれなくても、「まずは言葉から使っていくこと」によって脳や行動に変化が起こり、それが周囲の人の変化も呼び、結果としてその人を幸せにする。

言葉には、まるで神様の様な力がある。

それを、偉い人はみんな知ってるんですね。

あなたの「ありがとう」は、言われた人を幸せな気持ちにします。
でも何より、あなた自身を幸せに導きます。

大切な、あなた自身のために。
そして次に、あなたの大切な誰かのために。

今日からたくさん「ありがとう」を口にしてみませんか?