前回は、「グレーゾーンの認識」が白黒の二極思考に比べて原則的には成熟した思考パターンであること、でもグレーだって「白と黒」の粒子で出来ている、というお話をさせていただきました。
今回は、白と黒の粒を小さくしよう、というお話です。
・白黒の「粒を小さくする」と、グレーになる
下の画像を見比べてください。
どちらも市松模様。
でも、小さい方の画像はグレーに見えませんか?
どちらも千鳥格子。
これも、小さい方はグレーに見えます。
市松模様はあまり小さくして使われることはありませんが、千鳥格子は服の生地としても定番で、トラディショナルな服の方が模様が小さいことが多い様です。
遠目には、目の荒いグレーの服に見えますよね。
ちなみに世界最古の千鳥格子は、なんと紀元前数百年のスウェーデンで発見されているとか!
ともあれ、この市松模様と千鳥格子は、どちらも「白と黒の二極」で出来ています。
それなのに、「一つひとつの模様を小さくしたら」グレーになる訳で、模様をもっと小さくすれば、もっと滑らかでキレイなグレーになります。
「グレーも白と黒で出来ている」ことを実感していただけたのではないでしょうか。
・粒の大きさとバランスがポイント
キレイなグレーであるためには、まずとにかく白黒の粒が小さいことが重要なのは、上で見ていただいた通りです。
白黒の粒の大きさは、白と黒の間の落差、問題の大きさ。
「生きるか、死ぬか」
では、問題が大きすぎます。
「食事をとるか、とらないか」
随分小さくなりましたが、もう少し小さくしたい。
「洋食にするか、中華にするか」
かなり小さくなりました。
「ハンバーグにするか、パスタにするか」
これなら、随分小さいですよね。
この様に、「問題をきちんと切り分けて小さくしていく」ことを繰り返していくと、日常生活にグレーゾーンが増えていくわけです。
もう一つ、粒の小ささと同じくらい大切なものに「バランス」があります。
「白1割、黒9割」では、キレイなグレーに見えるはずがありませんから。
バランスの悪さは、白に至るハードルの高さと言い換えることが出来ます。
例えば「東大に合格するか否か」では、問題の大きさもさることながら白の割合が少なすぎますよね。
問題を日々の小さな出来事で考えてみても、例えば「一日中、暇さえ誰かをイジメてないと気のすまない上司」が、「自分に嫌なことを言うか言わないか」では、「ほぼ確実に言われる」のですから随分バランスが悪いわけです。
この様に、何らかに白黒をつけたい時には
「その粒は大きすぎないか」
「白と黒のバランスが悪すぎないか」
に意識してみると、キレイなグレーが増えていくことになり、結果として
「思う通り白黒つけまくっているのに、上手にグレーゾンが出来ている」
状態が生まれます。
そうすると心の中の葛藤が少なくなりやすくなり、楽に過ごせる時間が増えます。
白黒分けないグレーも良し。
白黒分けたグレーも良し。
たまにはガッツリ白黒でも、それはそれで良し。
「ガッツリ白黒があってはいけない」では、バランスが悪いですからね。
みなさんの白と黒、上手にグレーに見えますか?